横浜市立大学大学院 医学研究科 幹細胞免疫制御内科学血液・リウマチ・感染症内科

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研究研究

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リウマチ・膠原病グループ

膠原病における自然免疫系の機能解析

ERAP1・CCR1などのベーチェット病疾患感受性遺伝子の機能解析

ベーチェット病のゲノムワイド関連解析を通じて複数の疾患感受性遺伝子を同定しました。中でも注目している分子がERAP1です。ERAP1はHLA-Class Iに抗原提示する過程で重要な働きをしているアミノペプチダーゼで、この多型がベーチェット病や強直性脊椎炎に関連することが判明しています。この多型がベーチェット病では特にHLA-B*51陽性の患者で重要であることが分かりました(参考文献)。下図に示す抗原提示過程はベーチェット病の発症の根幹にかかわると考えられ、治療標的として有望です。本学眼科学教室とともに、患者さんの血球や遺伝子改変動物を用いて研究を進めています。

図

Kirino & Remmers. Nat Rev Rheumatol, 2015,11:401-14.

<参考文献>

Kirino Y, et al. Genome-wide association analysis identifies new susceptibility loci for Behçet’s disease and epistasis between HLA-B*51 and ERAP1. Nat Genet, 2013, 45:202-7.

膠原病におけるマクロファージの機能解析

血清中のヘム分解酵素(HO-1)が成人スティル病で上昇していることを報告しました。このHO-1は特にM2マクロファージに多く発現していることが分かっています。現在多施設共同研究で診断への有用性を検討しています。

<参考文献>

Kirino Y, et al. Increased serum HO-1 in hemophagocytic syndrome and adult-onset Still’s disease: use in the differential diagnosis of hyperferritinemia. Arthritis Res Ther, 2005, 7:R616-R624.

当科では腎生検を自分たちで施行しています。その検体の一部を用いて、マクロファージの免疫組織染色を施行して、自然免疫と全身性エリテマトーデスとの関わりを検討しています。また疾患モデル動物を使用して、発症メカニズムの解明や治療法開発を目指します。

図

全身性エリテマトーデス患者腎臓のCD68陽性マクロファージ

<参考文献>

Hama M, Kirino Y, et al. Bach1 regulates osteoclastogenesis in a mouse model via both heme oxygenase 1-dependent and heme oxygenase 1-independent pathways. Arthritis Rheum, 2012, 64:1518-28.

次世代シーケンサーを用いた疾患原因遺伝子の同定

家族歴を有する膠原病患者では強い遺伝学的背景が予想されます。本学遺伝学講座との共同研究で、次世代シーケンサーを用いた責任遺伝子の同定と、新規治療法の開発を目指します。

<参考文献>

Kirino Y, et al. Targeted resequencing implicates the familial Mediterranean fever gene MEFV and the toll-like receptor 4 gene TLR4 in Behçet disease. Proc Natl Acad Sci USA, 2013, 110:8134-9.

膠原病疾患の病態形成におけるTRIM-IRF系の役割

膠原病疾患は一般的に自己免疫反応により引き起こされる炎症が原因であると考えられていますが,発症機序は依然として不明です.近年,自己免疫反応において樹状細胞やマクロファージを中心とした自然免疫系の果たす役割が注目されています.例えば,Toll様レセプターなどのパターン認識受容体(PRR)を介したシグナルの異常が自己免疫反応につながることが知られるようになりました.当科ではこれらのシグナルに関与することが予想されるE3ユビキチンリガーゼ蛋白ファミリーであるTRIMファミリーと,その基質となる転写因子群IRFファミリーに注目しています.TRIMファミリーに含まれるTRIM21やTRIM12cはIRFファミリーやTRAF6をユビキチン化することにより,NF-κB依存的な炎症性サイトカインやI型インターフェロンの産生を制御しています.TRIM21によっていくつかのIRFファミリー蛋白がユビキチン化されることが分かっていますが,このうちIRF8は樹状細胞やマクロファージにおいてαVβ8インテグリンの発現亢進を介するTGFβシグナル伝達系の活性化によってナイーブT細胞から自己免疫反応に重要なTh17細胞への分化を誘導します.また,IRF8はインターロイキン12およびインターロイキン23の産生を促進し,逆にインターロイキン27の産生を抑制することによってTh17細胞を維持しています(下図).現在,当科では広くTRIMファミリーやIRFファミリーがどのように自己免疫疾患の病態形成に関与しているかを遺伝子改変マウスや患者さんの末梢血を用いて解析しており,膠原病疾患の新規治療法の開発へつなげることを目標としています.

図

<参考文献>

Chang T-H, Yoshimi R et al. Tripartite Motif (TRIM) 12c, a mouse homolog of TRIM5, is a ubiquitin ligase that stimulates type I IFN and NF-κB pathways along with TNFR-associated factor 6. J Immunol. 2015, 195: 5367-79.

Yoshida Y, Yoshimi R et al. The transcription factor IRF8 activates integrin-mediated TGFβ signaling and promotes neuroinflammation. Immunity. 2014, 40:187-98.

Yoshimi R et al. Gene disruption study reveals a nonredundant role for TRIM21/Ro52 in NF-κB-dependent cytokine expression in fibroblasts. J Immunol. 2009, 182:7527-38.

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